大人になってからでも、読むと大切なことを気づかせてくれるよい絵本がたくさんあります。
大切な方や自分へのプレゼントにしてほしい、とっておきの絵本。
気になる本があればぜひ読んでみてください。
『ルフランルフラン』や『たいようオルガン』、『はっぴぃさん』など、数多くの絵本を手掛け、様々な賞を受賞されている荒井良二さんの絵本。
多くの絵本は、大人の枠にとらわれない、まるで子どもが描いたかのような自由な発想に魅了されるものが多いのですが、こちらの絵本は少し違います。
表紙の絵からもわかるように、一枚の絵画のような風景がページをめくるたびに現れ、その美しさに圧倒されます。
お話の内容は、様々な場所に住む人たちが、「あさになったからまどをあける」という場面を描いていくというもの。
そして、景色には必ず「ここがすき」という言葉が綴られています。
誰しもが自分の居場所を持っていて、でもそこはそれぞれに違ったもので、違った良さをもっている。
当たり前だけれど大人になると忘れてしまう事実を、朝のすばらしい景色を通して感じさせてくれます。
時に、大人は他の人の置かれている状況をうらやましく思ってしまったり、また同じ毎日に飽き飽きしてしまったり……。
そんなときにこの絵本を開くことで、自分の場所のすばらしさ、さらに明けない夜はないことまでも、優しく気づかされてくれます。
この絵本はぜひ手元に置いておき、何度も読み返したい一冊。
それぞれの景色が本当に美しいので、気分によって選んだページを部屋のインテリアとして飾っても絵を飾っているようですてきですよ。
大切な方へのプレゼントとしてもおすすめの、大人にもうれしい絵本です。
子どもにも赤ちゃんにも大人気の『はらぺこあおむし』を描いたアメリカの本作家エリック・カールさんの絵本。
色付けした紙を切り抜いてコラージュする手法でこの作品も描かれています。
彼の作品に数多く登場する「動物」たちの魅力が感じられる絵本です。
この絵本では動物たちが変わった色で描かれています。
「青い馬」、「赤いワニ」、「黄色い牛」……。
こどもたちに「間違った色なんてない」「好きなように表現していいんだ」と伝えています。
これは、常識や世間体を気にしてしまうわたしたち大人にも響くものがあります。
いきいきとした動物たちを眺めながら、少し自由に自分の思いを巡らせてみるのもよいのではないでしょうか。
また、絵本の最後には「この絵本のはじまり」としてこの絵本を描こうと思った彼の少年時代のエピソードも載っていて興味深いです。
作者の置かれた時代背景を知ることで、他のエリック・カールの作品もより深い視点で見つめられるようになる一冊です。
『はらぺこあおむし』で有名な彼をより深く知り、そしてシンプルにその絵の魅力を感じられる絵本は、大人にもおすすめ。
描かれた美しくダイナミックな動物たちを眺めながら、絵本の持つ芸術性に触れてみてください。「アート」が好きな方へのプレゼントにもぴったりです。
登場人物が「はぐ」するというシンプルな場面構成で描かれている絵本。
作者は漫画家であり、村上春樹さんの本の表紙のイラストなども手掛けるイラストレーターであり、さらには絵本作家でもある佐々木マキさんです。
次々と「はぐ」していく登場人物の突拍子のなさ、ふたりが「はぐ」したときの何ともうれしそうな表情、そして、どんどん日が落ちていく海辺のシュールな組合せに、大人も子ども思わず笑顔になってしまいます。
「はぐ」というカルチャーは日本にはほとんどないにもかかわらず、この絵本を通して「はぐ」するときの愛情やうれしさをたっぷりと感じられるのがすごいところ!
久しぶりの人、大好きな人に出会ったら「はぐ」せずにはいられない気持ちが伝わります。
実際に「はぐ」しなくても、そういう温かい気持ちは日本人の中にも根付いているものです。
最後の夕日が落ちてロマンチックなムードが漂う場面が、さらにその感情を際立たせています。その光景を少しうらやましくさえ思ってしまいます。
この絵本を読めば、誰か大好きな人と「はぐ」したくなる一冊。
とっても温かい気持ちにさせてくれる一冊はプレゼントにもおすすめ。大好きな人、大切な人と共有したくなる絵本です。
1964年にアメリカで出版され、その後アメリカ、フランスでロングセラーとなった絵本。
英語の教科書に掲載されたこともあるようです。
内容は、おおきなりんごの木とある少年の一生を通しての物語が描かれています。
たくさんのものを望み続ける少年は、時に木の幹まで切り倒してしまいます。
それでも木は少年を愛し、待ち焦がれ、すべてを差し出します。
人間の尽きない欲望と惜しみない愛のかたちが描かれていて、心がえぐられるような思いをする絵本。
絵本という体裁ですが、子どもが読むのと大人が読むのとは印象が変わってくるはずです。
人生の経験を積めば、それだけ「おおきな木」の本当の気持ちを知れるのではと思える奥深い一冊。
絵は白地にシンプルな黒の線画のみで描かれているので、余計な情報は一切なくより深く物語に入り込めます。
この絵本は、翻訳が本田錦一郎さんのもの(1976年発行/篠崎書店)と村上春樹さんのもの(2010年発行/あすなろ書房)、また英語の原作もありますので、その対比を比べてみるのも面白いかもしれません。
英語の勉強にもなりますね。
一生を通して読み返したくなる絵本をぜひ自分への、また家族やパートナーへのプレゼントにしてはいかがでしょうか。
アメリカで発表され、またたくまにアメリカ中の母親の話題になった絵本。
NYタイムズやAmazonの児童書分野でハリーポッターを抜き1位の座に輝いたことも!
今では、世界20言語以上に翻訳され、発行部数も65万部を突破したというから驚きます。
一生を通しての母から子への愛を綴った物語。
ひらがなで書かれたシンプルな言葉と優しいタッチの絵は、誰にでもわかりやすく心に響きます。
今いる自分は、当たり前ではなく母親の大きな愛によって育てられたものだと気づく一冊ではないでしょうか。
子育てをしている現役のお母さんはきっと、自分の母親と自分を照らし合わせ、母の偉大さを知るでしょう。
また育児中でなくても、今いる自分は母親から生まれ、育てられたことを思い返し、今いる自分を大切にしたくなるはず。
大切な人へ贈りたくなる絵本です。
『ママがおばけになっちゃった』で大ブレイクし、その後『りんごかもしれない』『りゆうがあります』など、たくさんのヒット作を生んでいるヨシタケシンスケさん。
この『つまんないつまんない』もそのヒット作のうちの1冊。
主人公の男の子が「つまんないのは何でだろう?」という疑問を考えていくという奇想天外なストーリー。
つまんないを考えていくと、面白いことがたくさん浮かんでくるから不思議!
ヨシタケさんの発想力で描かれた「つまんないワールド」にどんどん引き込まれていきます。
絵本が終わるころには、つまんないことを考えているはずなのに楽しい気分に。
もし、自分のまわりで「つまんないつまんない」言っている大人がいたらぜひプレゼントしてあげたくなる絵本ですよ
大人にプレゼントしたくなる絵本は4冊を紹介しました。
気になったら本屋や図書館、インターネットの口コミなどものぞいてみてくださいね。
そして、大切なあの人へのプレゼントにしたり、自分の本棚のコレクションにぜひ加えてみたりしてください。
好きな絵本への思いを大切な方と共有できたり、絵本から人生をより豊かに生きるヒントがみつかるかもしれません。